日付2016/12/31
韓国
SCS Global Consulting (Korea) Corp
【政治の大混乱が経済に与える影響】
最近、韓国では大統領である 朴槿恵(パク・クネ)氏とその親友の女性を巡る一連の問題で政治が大混乱しています。
この結果、政府の経済政策も影響を受けており、来年の展望も明るくはありません。朴大統領は11月より対国民談話を発表していますが、世論の批判の声はどんどん高まり、この状況からの出口は見えなくなっていました。
そんな中12月9日、国会では弾劾決議が賛成234票、反対56票で可決されました。可決には国会議員の3分の2にあたる200票以上の賛成が必要でしたが、野党3党に加え、与党セヌリ党の一部も賛成に回りました。
憲法裁判所が最長180日間の審理に入り、判断が出るまで朴氏の大統領権限は停止され、黄教安(ファン・ギョアン)首相が大統領の職務を代行することになりました。
憲法裁判所が弾劾を妥当と判断すれば、朴氏は罷免され、憲法に則って2か月以内に次期大統領選挙を実施することとなります。そのため政界では、弾劾となる場合は来年6月頃に大統領選挙が行われると予想しています。もし、裁判所が弾劾を棄却したとしても、与党の方針に従い4月に退陣する可能性は高いとみられています。
1987年の民主化以降、韓国大統領が罷免や任期途中で辞任するのは初めてとなります。
また、弾劾決議が可決されたことで韓国経済の不振がもっと深くなると懸念する声も上がっています。11月以後、国政混乱による経済心理萎縮が本格化しており、第4四半期の経済指標が10年前の金融危機以降、最悪を記録するのではないかと憂慮されています。
11月30日統計庁が発表した「10月産業活動動向」によると、製造業平均稼動率は 70.3%と前月より鈍化しており、70%を下回る可能性が高くなっています。10月基準としては1998 年(69.8%) 以後一番低い稼働率です。
※本文より一部抜粋
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