Global Insight

グローバル・インサイト

Global Insight Vol.60

日付2021/12/15

香港

 

【⾹港におけるコロナ隔離の実態】

⽇本では幾分落ち着きつつあるコロナ対策ですが、海外渡航においては、未だ地域・国によって制約が多いのが現状と理解していま す。今回、先⽉⽇本から⾹港に渡航した私⾃⾝の実体験をお伝えしたいと考えています。まず、出国前に「2 回のワクチン接種証明」 「⾹港到着72 時間以内の陰性証明」「⾹港政府指定の隔離期間宿泊ホテルの予約確認書」が必要となります。陰性証明については、 英語でかつ⾹港政府の指定病院(ISO 準拠等) の条件がありましたが、対応可能なクリニックを⾒つけるまでに何度となく断られ、苦労 した事を思い出します。また、私の友⼈は上記万全に準備して臨んだにも関わらず、台⾵の影響でフライトが⽋航し、PCR 陰性証明と ホテルの⼿配を再度⾏うという憂き⽬にあっていたため、私も少なからず緊張感をもって渡航⽇を迎えました

⾹港空港に到着すると、そのまま空港で1 回⽬のPCR 検査、必要書類・連絡先電話番号等確認、隔離中の過ごし⽅に関するインスト ラクションを受けます。約2 時間を経て、今度は各ホテルごとのバスに乗り、防護服で完全防備の⽅々に付き添われホテルまで運ば れます。隔離期間中を通して、計7 回のPCR 検査を受けたのですが、上記バス代も含めて全て無料(公費)でした。

隔離⽤ホテルに⼊ると、隔離期間の無断外出に関わる罰則規定の張り紙(25,000 ⾹港ドル、およそ35 万円) が⽬に⾶び込んできます。 余談ですが、上海で2 週間ホテル強制隔離、その後1 週間の⾃宅隔離がルールとなっているなか、⾃宅隔離期間中の外出が⾒つか り、再び2 週間のホテル強制隔離からやり直しさせられた⼈がいると、上海の友⼈から聞いていました。隔離ルールの熟読・理解は 必須です。

ホテル隔離中は、1 ⽇3 回の決まった時間に部屋のチャイムが鳴り、部屋の前にお弁当が置かれます。バスタオル等必要物は電話で依 頼、ホテル従業員が私と直接顔を合わせる事は⼀切ありません。洗濯は⼿洗いしか⽅法がないため、下着類は使い捨てできるものを ⽇数分持参しました。⾷事はお世辞にも⼝に合うとは⾔えませんでしたが、幸い私が宿泊したホテルはデリバリー対応が可能(ホテル によっては⾮対応)でしたので、旅⾏⽤アダプタや⽇本⾷等が購⼊でき、⼤変救われました。過酷で孤独な隔離期間を乗り切れた要素 として、⾮常に⼤きかったと思います。

隔離期間中は、週に2 回防護服の⽅々が部屋の前まで来て、その場で⿐と⼝に綿棒らしきものをグリグリと⼊れられます。空港到着 後に1 回、3 週間の間で毎週2 回の合計7 回のPCR 検査が義務付けられ、都度SMS に結果が送られて来る仕組みになっています。 分かり⾟いことも多く、精神的にも堪えた隔離期間でしたが、現在は無事⾹港で仕事開始できております。経済的な側⾯から考えて も、今後、渡航隔離緩和の動きが加速していくと想定されますが、皆様のビジネス運営と同様、ルールの正しい理解、地域・領域ご との固有状況の理解が極めて重要である点を、隔離を通して再認識出来たと感じています。


※本⽂より⼀部抜粋
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