Global Insight

グローバル・インサイト

Global Insight vol.54

日付2020/05/22

【COVID-19 感染拡大に関する特例措置について】

 

 

 今年初めより世界中にに感染が拡大しているCOVID-19 への対策として、税制などに関し特例措置が発表されています。今回はそれらの中で特に日系企業に関係が深いと考えられる施策に関しご説明します。

 

1. 源泉税の税率改定について
 2020 年4 月から12 月の期間限定措置として、通常税率が3% である課税取引に適用される源泉税率を引き下げる旨の発表がありました。通常税率が3% 以外の取引には軽減税率の適用はありません。

 

対象期間

軽減税率

対象

2020年4月~9月

3%→1.5%

全ての取引

2020年10月~
2021年12月

3%→2%

e-Withholding Tax system により申告される取引
(本システムに事前に登録する必要がありますが具体的な登録方法などは未発表です)

 

<通常税率が3%の主な取引>
・仲介手数料、コミッション(支払先個人の場合を除く)
・ロイヤルティ(支払先個人の場合を除く)
・請負報酬
・専門職サービス料(法律、会計、建築など)
・銀行手数料
・販売奨励目的の報酬、ディスカウント
・その他サービス料(生命保険料など除く)

 

<通常税率が3%ではない主な取引>
・リース料(オフィスレンタルなど)
・輸送サービス料
・利子
・配当金
・広告料

 

 対象期間は請求書の日付ではなく源泉徴収票の日付(通常は支払日)により決まります。自社の売上が通常税率3% に該当する場合には、事前に顧客(源泉税の納付者)に2020 年12 月まで軽減税率が適用されることを通知することをお奨めします。また、顧客から2020 年4 ~ 12 月の日付の源泉徴収票を顧客から受領した際には源泉徴収額が通常の3%になっていないか注意、確認が必要です。

 

 

2.  法人税の納税期限延長について
 通常、法人税の年次申告(ND50) 期限は決算日から150 日以内と定められています。今回特例措置として決算日が2019 年11 月~ 2020 年3 月末の期間内である場合、PND50 の申告、納税期限を2020 年8 月31 日まで延長することとされました。これに合わせて移転価格に関するDisclosure Form の提出期限も同日まで延長されています。
 また、通常法人税の中間申告(PND51)期限は、事業年度開始日から半年が経過した月の末日から 2 ヵ月以内と定められています。今回特例措置として決算日が 2020 年 8 月~ 2021 年 1 月末の期間内である場合、PND51の申告、納税期限を 2020 年 9 月 30 日まで延長することとされました。
 なお、法人税に関する上記特例措置はタイ証券市場の上場会社には適用されません。

 

 

3. 社会保障基金の活用について
 COVID-19 蔓延防止のため、政府の指示により閉鎖、休業を指示された会社の場合、休業の間従業員は社会保険基金より給与の62%を受給することが出来ます(一部の従業員のみ対象でも受給可能)。ただし、期間は最長90 日間、金額は9,300 THB/ 月の制限があります。また、休業期間に会社から給与を受け取っていた場合には受給の対象外となります。
 なお、政府の命令などによらず景気の状況を理由に会社が休業する場合、会社は基本給の75%を休業期間に渡って支給する必要があります。
 また、社会保障基金の保険料は毎月、通常給与の5%(上限THB750)を従業員側が負担、同額を会社側が負担していますが、2020 年4 月~ 6 月度の社会保障基金保険料納付額については従業員側負担率を1%(上限THB150)、会社側4%(上限THB600)に軽減することが発表されました。

 


 比較的早期にロックダウンを実施したバンコクを初め、低所得者層・非正規雇用者層を中心に今回のCOVID-19蔓延の経済的影響を受けている人数が多数にのぼるため、今後もタイ政府が新たな経済対策を打ち出す可能性があり、引き続き注視が必要です。

 

 

※本文より一部抜粋
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